足尾銅山・銅親水公園に出没した経緯
先日、足尾銅山・銅親水公園(足尾ダム)を絡めて「日本百名山」の「皇海山」へ登山してきました。
その時に「足尾銅山」に立ち寄ったのですが、周辺の山々が「禿げ山」になっていて、非常に驚いてしまいました。
足尾銅山の最盛期は、明治・大正時代と学校の授業で習っていたのが影響してか、公害でボロボロになった足尾周辺は、自然が元通りになり、本来の姿になっているだろうと思い込んでおりました。
実際、足尾銅山周辺に足を運んでみると、銅の採掘最盛期に比べれば自然が豊かになってきたものの、まだまだ周辺の山のような大木が生い茂る森まで自然が回復してなくて愕然としてしまいました。
日本の近代化に大きく貢献した「足尾銅山」ですが、その傷跡というか、後世に残した大きなダメージは、未だに回復していないんだな~と思ってしまった感じです。
足尾銅山へのアクセス・駐車場について
そんな足尾銅山ですが、学校の授業でならったものの、何処にあるか忘れてしまった方も多いのではないでしょうか!?
足尾銅山は、栃木県の中禅寺湖の近くになるのですが、こんな位置関係になっております!
足尾銅山周辺の地図
足尾銅山の本拠地といっても過言ではない、足尾町本山周辺の地図になります。
足尾銅山の最寄り駅は「間藤駅」になっておりますが、昔は銅の運搬のため、さらに先まで線路が延びておりました。
残念ながら既に廃線になってしまっているのですが、間藤駅から足尾銅山までは、少し距離がありますが、徒歩でも行けるかと思われます。
また、銅親水公園や、その周辺に無料駐車場・トイレ等が整備されております。
足尾銅山周辺の山が禿げ山になった原因について
足尾銅山開発に伴い、銅鉱で働く人達の燃料として木々が使われたのと、山を掘り進めるに当たり、崩落を防ぐための「坑木」が大量に必要なため、切り出されたのが影響しております。
また、銅の製錬する工場から排出される煙が非常に凶悪な大気汚染を引き起こしたこともあって、足尾山地の山の木々が枯れてしまいました。
さらに負の連鎖は続き、木々が枯れた地域の水源である渡良瀬川は、保水機能を失った山の影響で洪水が頻発し、その川の流れに乗って、汚染された土壌が下流に流れ、広範囲に鉱毒を撒き散らしてしまい、汚染の拡大を招いております。
この一連の鉱毒による公害が、学校の教科書にも載っている「足尾鉱毒事件」の発端となり、明治天皇に直訴した事で有名な田中正造が奮闘した事により、大きな政治問題・公害問題として認識された1つの出来事になりました。
色々な犠牲があってこそ、今の私たちがある事を忘れてはいけませんよね!
足尾銅山(産業遺産)・銅親水公園周辺の写真
今回は登山の一環として足尾銅山周辺を歩いた感じです!
上記は、足尾銅山周辺の観光案内板になるのですが、地味に温泉が多く、入りたいな~と思ってしまいました。
足尾銅山周辺の山々の様子になります!
だいぶ緑が復活してますよね~!!
正面に見えている山が、備前盾山になりまして、こちらの山では銅の産出はなかったみたいです。
こちらが足尾銅山の本拠地になります、「足尾本山」になります。
銅山の採掘の最盛期には、多くの人が住み、とても賑やかだったみたいです。
足尾本山が最盛期だった頃の写真になります!
銅の工場や家々が立ち並び、凄い賑わいだったことが分かりますよね!
ただ、正面の山々が公害等によって、痛々しいお姿になっているのが残念ですよね。
足尾銅山は、「関東ふれあいの道」の一角をなしているそうです!
公害の本拠地だったところが、「ふれあいの道」になっている辺りが、色々と考えてしまいます。
現在の足尾本山周辺の写真になります。
周囲に少しだけ、日本近代化の礎になった産業遺産が残っているものの、生活を感じられる建物等は残ってませんでした。
こちらが足尾銅山の最盛期の頃に使われていたトロッコ列車の線路の高架になります。
採掘された銅を精錬工場に運ぶのに使われていたそうです。
歴史を感じる建造物ですよね~!!
産業遺産と呼んでも相応しい立派な線路ですよね!
個人的には、足尾銅山周辺を、世界文化遺産あたりに登録されても良いのにな~と思ってしまいます。
暫く足尾銅山の産業遺産を見ながら歩いていくと、銅親水公園(足尾ダム)の案内版が出てきました。
松木渓谷も、素晴らしい紅葉を見ることが出来るそうで、登山者・ハイカーに人気があるそうです!
松木渓谷に行ったことがないので、何かの機会に出没したいですね~
足尾銅山の精錬所跡周辺になるかと思います!
立派な建物に驚いてしまいました!!!
現在、足尾銅山周辺は、廃棄物のリサイクルの仕事をしている会社が操業しているそうです。
昔の足尾の写真と比べると、だいぶ山にも木々が生い茂ってきてますよね!
足尾銅山の鉱毒の影響で、禿山になった山を、地元の方達が中心となって、植樹を続けたそうです。
よ~やくその苦労が報われようとしてますよね!
煙突と山並みがアンバランスというか、色々と考えさせられる絵になってしまいました。
経済の発展も大事ですが、自然がないと人間病んでしまいますよねf^_^;
特に私は自然が大好きなので、禿山になった景色は見てられないです。
こちらが足尾ダム(銅親水公園)周辺になります!
公害があったと思えない綺麗な水でした!
銅親水公園周辺の景色になります!
正面が松木渓谷になります。
ハイカーや登山者が結構松木渓谷に向かって歩いてました。
こちらが銅親水公園の入口にある吊橋になります!
この周辺に、無料の駐車場がありまして、そこそこ広いので満車になる事は少ないと思います!
銅親水公園内にある、足尾環境学習センターになります。
地味に有料ですので、見学する場合は、お金を忘れないようにしてください!
確か、大人300円だったような・・・。
足尾銅山の公害があったとは思えない、綺麗な自然が広がってました!
大きな木こそ少ないですが、それでも水泥が増えてきている事を実感できますよね!
足尾銅山の鉱毒の影響で、所々気が生えていない所もありますが、少しずつ自然が再生している力強い姿に安心感がありますよね。
一度失われた自然を取り戻すのは、莫大な時間と労力、お金が掛かることが痛いほど分かった時間になりました。
まとめ
小学校の修学旅行で足尾銅山に訪れた記憶が少しだけ残っているのですが、「足尾歴史館」ではなく、足尾銅山の本拠地である「足尾本山」周辺に出没できたのが良い収穫でした。
日本の環境問題もまだまだ山積みですが、同じ轍を踏まないよう、自然と共存した経済成長と暮らしの向上が出来たら最高ですよね。
近隣諸国の環境問題も深刻ですし、結局、日本にも影響する話ですので、世界的な規模で環境問題は取り組まないと駄目であるの明らかですよね。
先人達の苦労を世界中に共有できる仕組みの整備が急がれるかも知れないな~と思った足尾銅山での時間になりました!